NPOの立ち上げの直後、私は東日本大震災、福島第一原発事故を東京で経験した。環境ソーシャルメディアとしての活動はその後、どうしても震災や原発事故への取材が多くなった。この祝島への取材も、その中の一つとして行われたが、実質最後のアップデートは２年後になってしまった。
市民である我々は、この国日本に住むことのリスクにまだ本当の意味で目覚めていないのかもしれない。台風、地震、火山噴火、黄砂、豪雪、土砂災害など自然災害に加え、世界でもまれに見る原発立国であること、そしてその技術の脆さとメンテナンスの手薄さ、人々や周辺地域環境への危険性だけでなく、地球全体への悪影響を知り、驚愕した２年間であった。
明日は東日本大震災から２年。東北の取材では心が張り裂けそうな場面が多かった。さらに東北だけではなく、日本の過疎地、たとえば山口県や福井県が抱える「原発」問題は、日本全体の問題に影響していることを認識したのである。また、すべての物事には光と影があり、一人一人の命の輝きがある、あったことをこの取材を通して思い知らされた。
東北の復興はあと三十年くらいかかるといわれている。福島第一原発の廃炉も最低あと３０年はかかるだろう。犠牲者の皆様に、もう一度、心から哀悼とご冥福を祈ると同時に、残された私たち市民が、継続的にこの問題に耳を傾けていくべきであると思った。
（文責：長倉牧子）
